新型コロナウイルスの感染拡大で、国内自動車メーカー全8社が国内の生産ラインを停止した。海外からの部品調達が難しくなったのに加え、世界的に販売が急減したためだ。全社の生産停止は2011年の東日本大震災以来のこと。停止期間が約1カ月に及ぶSUBARU(スバル)の一大生産拠点のある群馬県太田市を歩くと、好調だった企業城下町の経済が急速に沈み始めていた。【道永竜命】
「今月はまだ大丈夫だけど、まあ分かんない」。スバルの群馬製作所が操業を停止した翌日の10日午前。スバル車の金属部品を扱う町工場は静まりかえっていた。普段なら納品や集金、支払いに忙しい五十日(ごとおび)なのに工業団地にトラックの姿はなく、周辺の工場もシャッターが閉まる。男性社長(51)は訪ねてきた工具業者に半ば諦めたように話していた。
この町工場は1970年代後半に父が創業し、今は兄と2人で営んでいる。売り上げの大半は自動車部品だ。スバル向けに月5万~6万個あった部品の出荷は今月に入ってゼロ。別のメーカー向けの部品で食いつなぐが、その部品も週を追うごとに1割、2割と受注が減っている。「余裕がないから、稼いだカネはまるまる材料の仕入れなどの支払いに回している状態」。4月の売り上げはめいっぱい良く見積もっても昨年の半分以下になる見通しで、このままなら5月にも運転資金が底を突く。「仕事が止まっているわけだから。借金も払えなくなる」
震災の時も自動車部品は受注が止まった。だが、当時は偶然手がけていた住宅用の部品が特需となり、なんとか乗り切れた。その部品も今は安い中国製に取って代わられてしまい、コロナ危機から救ってくれるような部品はもうない。
スバルの工場が止まっても、停止前に注文した材料は入荷されてくる。加工しなければ、材料がさびる。他メーカー向けに転用することはできず、今はいつ出荷できるか分からない部品を作るしかない。
3月上旬までは朝から晩まで仕事があったが、今月に入ってから金曜も休みにした。午前中だけ稼働して終わる日もある。後継者はおらず、社長は「最悪、会社を畳んで工場も売るさ」とつぶやく。機械が一台も動いていない工場に空っ風の音だけが響いていた。
市街地にあるスバルの工場が停止してから、太田市では毎朝恒例の通勤渋滞も発生せず、昼夜を問わず人影はまばらになった。客室が100室以上ある市内のホテルの支配人は「この辺は観光地もなく、宿泊者のほとんどがビジネス客。キャンセルばかりで、アルバイトには休んでもらっている状態」と明かす。駅前の客待ちタクシーも全く動いておらず、運転手(72)は「2時間、3時間の待機はざら。…
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April 17, 2020 at 10:00AM
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