本稿はPR TIMES STORYからの転載(原文はこちら)
スタートアップが物語を語る理由、それは彼らに空気を変える不思議な力があるからです。
例えば新型コロナウィルスで大打撃を被ったAirbnbの共同創業者、Brian Chesky氏の手紙は一読の価値があります。シェアリング・エコノミーの申し子として常にトップを走り続けた彼らにとって、レイオフはこの企業が積み上げてきたカルチャーの毀損に他なりません。株式の公開というマイルストーンから一転、彼らは大変難しいコミュニケーションを迫られたわけです。
しかし、少なくとも私は現時点でAirbnbの未来を悲観するような気持ちにはなれません。逆にこれだけの逆境でしっかりと資金を確保し、事業としての再起を約束した上で、まだ前向きな気持ちにさせることができたのは、やはりChesky氏の言葉に力があったからだろうなと思うわけです。
起業家の言葉には、人の心を動かす力がある。これをどう活かすべきか。ーー今日、その答えとしてサービスをひとつリリースいたします。
スタートアップを伝え続ける方法
PR TIMES STORYの仕組みや経緯については公式発表のプレスリリースや、プロジェクトメンバーが書いたそれぞれのストーリーをぜひご覧いただくとして、私はこれからのスタートアップを伝えるために必要な「物語の力」、特にそれを起業家がナラティブに語ることの重要性について共有させていただければと思っております。
思えばBRIDGEは前身のStartupDatingから数えると、もう10年近く運営しています。ご存知の方々にとっては、スタートアップ村の広報誌ぐらいには知っていただけるようにはなった一方、編集部が独立した形で持続できているのは、一昨年に事業運営を譲渡させていただいたPR TIMES社のバックアップがあったからです。そこからの2年間は「どうやってこの仕組みを継続的なものにするか」、それを考える日々でした。
中でも注目したのが起業家自身が持つ「語る力」です。私たちはここ数年、BRIDGEを通じてこの起業家の語る力に関連して、様々な取り組みを実施させていただきました。
前述したChesky氏のような言葉には、絶対に第三者では伝えられない「力」があるのです。
創業者には「ナラティブ」という武器がある
ではナラティブに伝える力はどういうものか。BRIDGEにも数多くの「起業家自身が語る物語」がありました。ここ最近で力強い一本がこちらです。
南壮一郎さんはご存知の通り、ダイレクトリクルーティングの代名詞になったビズリーチの創業者です。実は同社は昨年末あたりから大きな組織変更、そしてこちらのPOSTにもある通り、事業拡大に向けての買収と活動の幅を大きく広げているところでした。
第三者としてこの話題を取り上げる時、通常であればニュースやインタビューなどがよくある方法です。場合によって彼らの過去を遡って、考察をすることもできたかもしれません。
しかし私がこの件で最も大事だと考えたのは南さん自身の言葉でした。
僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するキードライバーであると思っています。事業を通じて起こしたムーブメントにより、社会の変革に貢献できることこそが、自分の仕事の本分なのです。
世の中には時価総額ランキングのようなものが溢れています。ユニコーンという言葉そのものを否定するつもりはありません。しかしそのゲームに埋もれて見えにくくなっている本当に必要なもの、それはやはり言葉に力を持っている人しか語れないものです。
言葉には責任が伴います。だからこそ、この言葉の見極めこそが起業家を探し出す、重要な鍵になるのだと私は信じています。
POSTからSTORYへ
スタートアップ・ストーリーの重要性については、これまでにも随分と活動し、またお伝えしてきました。昨年11月にはリニューアルと同時にスタートアップ自らが物語を掲載できる「POST」という仕組みや、それに関するワークショップ、パートナーシップなどについて公表させていただいています。
現在、POSTには150本ほどのストーリーが掲載されていて、それぞれ私たちの第三者視点では語れない、裏側のお話やノウハウなどが綴られています。今後はPR TIMES STORYに掲載されたストーリーがこちらのPOSTに掲載(※)されるようになります。
新しい10年は、誰もが思いもよらない感染症という災害で幕を開けました。向こう数年は有象無象のスタートアップたちが、自分こそが世界を変えることのできる存在だと声を上げることになると思います。
その真贋はどこにあるのか。
ぜひ、起業家のみなさまにはその揺るぎない信念を言葉にし、その物語で人々に感動を与え、社会を動かしていただきたいと思います。BRIDGEやSTORYもまた、そのお手伝いができるよう、精一杯頑張りたいと思います。
※自動転載ではなく編集部によるピックアップによって掲載を予定しております
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