大阪ニュース
2020年6月8日
「町工場の町工場による町工場のための職業訓練を」−。大阪市内の中小企業製造業が連携し、一社では難しい技術の伝承を進める「大阪ものづくり企業認定職業訓練協会」を設立した。大阪府から職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練校の認定を受けており、９日から「ものづくり入門基礎実践科」を開講する。
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| オンラインも活用して行われた協会設立記念キックオフミーティングで、協会の説明を行う共同代表ら＝大阪市港区 |
設立発起人共同代表は、金属加工業の「成光精密」（港区）、圧力計製造業の「木幡計器製作所」（大正区）の２社と、民間職業教育機関の「，Ａワーク創造館（大阪地域職業訓練センター）」（浪速区）。
中小企業では、高齢技術者から若手技術者への技術伝承ができずに廃業へと追い込まれるケースがあり、町工場の技術の消滅を懸念していた。
同協会は「“ものづくり”は“ひとづくり”」をテーマに、認定職業訓練やその他の職業訓練、人材育成・人材確保・雇用管理などに関する講習などを実施する。
ものづくり入門基礎実践科では、主に入社１年以内の社員を対象に、安全や図面、機械加工などものづくりの現場で必要な基礎教育を行う。講師には各社の社長や技能検定合格者、大阪テクノマスター認定者らを迎えて、知識や技能とともに「ものづくりの楽しさや感動・喜び、誇り」を伝える。
２日にあったキックオフミーティングでは、成光精密の高満徳洋社長が「会社ぐるみで、地域ぐるみで（協会が）技術者の育成の一助になれれば」とあいさつ。木幡計器製作所の木幡巌社長も「協力しながらカリキュラムを作り、自分たちのやりたい人材育成をみんなで作り込んでいきたい」と抱負を述べた。
大正区と港区では区役所と中小企業が連携して、地域の子どもたちにものづくりの魅力を伝える事業などを展開。事業を通して企業間の交流が深まり、共通の課題として人材育成の問題が浮上していた。
同協会では、地域企業のニーズを反映した事業展開を行うため、賛助会員を募集している。
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