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テスラ「サイバートラック」発表〜笑っちゃうくらい「WOW!」な電気自動車でした - EVsmartブログ

映画『ブレードランナー』の世界が目の前に

ライブ中継より

吹き上げる炎とスモークを突き破って実車が登場した瞬間に、飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになりました。事前の情報で、テスラが発表する新型EVの『サイバートラック(Cybertruck)』は1982年に公開されたSF映画『ブレードランナー』の世界をイメージさせるようなものになる、とは言われていました。それにしても想像以上。アンヴェールイベントは、新型車の発表会というより、まるでSF映画の封切り祝賀イベント。思わず笑うしかないレベルの斬新な内容でした。

映画『ブレードランナー』のオープニング。設定の年月は、まさに今!
https://youtu.be/itBfsIWXptc

すでにさまざまなメディアが伝えているので衝撃的な内容をご存じの方も多いでしょうが、まず、プレゼンテーションで驚いたのが大きく2つ。「鉄のハンマーでドアを思い切り叩く」そして「窓ガラスに金属製の玉を投げつけたらヒビが入っちゃった」デモンストレーションでした。

何度か全力で叩いてました。

割れちゃいました。

ドアは全く凹みませんでしたが、窓ガラスは割れて、イーロン氏が「貫通はしなかったでしょ」と苦笑い。予想外のちょっとした失敗という風でしたが、その後、イーロン氏が窓の割れた実車を背景に語る映像が、なんだかやけにカッコいい。これも間違いなく「演出」だと感じました。

思ったより安いのは、窓が割れているからではありません。

遊び心満点。お堅いメーカーには逆立ちしても真似できないでしょう。

イーロン・マスク氏が登壇すると観客が「イーロン」コールを連呼。さまざまなディテイルが語られる度に「WOW!」という大歓声。陽気なアメリカンが集まっているとはいえ、雰囲気はまんまエキセントリックなバンドのライブです。

あまりにも想定外の見た目と、窓ガラスが割れたからでしょうか。『サイバートラック』発表の翌日、NY市場でテスラの株価が7%近く下がったというニュースもありました。とはいえ、モデル3の販売が好調な勢いがあるからこそ、テスラとイーロン・マスク氏にとっては、一時的な株価下落くらいは受け止める自信があったのではないでしょうか。

それよりも大切なのは、従来の「自動車」の概念を打ち壊し、テスラならではのピックアップトラックを提案すること。そして、SF映画の中にある虚構だと思っていた近未来を、現実社会に引きずり出してくることだったのではないかと感じています。

イベントのライブ中継。テスラの公式チャンネルではアーカイブされていません。YouTubeで「Tesla Cybertruck Unveil」で検索してみてください。

エグい外観に秘められた、実は「機能美」

本当に、こんな見た目のクルマを発売するのか? と、にわかには信じられない思いもありますが、テスラの公式ウェブサイトにはちゃんと『CYBERTRUCK』のページがローンチされていて、「ORDER NOW」ボタンも表示されています。予約金は100ドル(日本円では1万5000円)、衝動的にポチってしまいそうな値段です。
(日本からのアクセスでは日本語版が表示されることがありますが、右上メニューの地域で「UNITED STATES」を選ぶと英語のアメリカ向け表示が確認できます)

プレゼンテーションの流れで『サイバートラック』の詳細を説明するととっちらかりそうなので、公式サイトの訴求ポイントに沿って確認していきましょう。

BETTER UTILITY THAN A TRUCK WITH MORE PERFORMANCE THAN A SPORTS CAR

まず、冒頭で訴求されているキャッチフレーズは「トラックより便利でスポーツカーよりパフォーマンスがあるよ!」ってことです。最上級グレードの「TRI MOTOR AWD」は、0-60MPH(おおよそ0-97km/h)加速が2.9秒以下。先日、日本でも公開されたポルシェ『タイカン』の0-100km/hが2.8秒ですから「MORE PERFORMANCE THAN A SPORTS CAR」という言葉はまんざら誇張ではありません。

発表された3モデルのスペックを表にしておきます。

搭載する電池容量は公表されていませんが、最廉価版の「Single Motor RWD」でも、一充電航続距離はEPA基準で400km以上。最上位モデルの「Tri Motor AWD」は800km以上です。もちろん、ビジネスとして採算が取れる裏付けがあってのことでしょう。以前、翻訳記事でお伝えした『電気自動車の価格はバッテリーコストが下がり2022年までにエンジン車に優る競争力を獲得する』という近未来も、グッと引き寄せられた印象です。

EXOSKELETON

公式サイトより転載

ボディはスペースXのロケットなどにも使われている無塗装のステンレス合金製。「ULTRA-HARD 30X COLD-ROLLED STAINLESS STEEL=超硬30X冷間圧延ステンレス鋼」と呼ぶそうです。従来の自動車のように「強度を確保したフレームにボディを載せる」のではなく、頑強なステンレスボディそのものが骨格となる「EXOSKELETON(エクソスケルトン)=外骨格」構造を採用しています。

ステンレスといえば、日本でも流し台の素材などでおなじみですね。錆びなくて傷つきにくくて丈夫。ただ、丈夫すぎて加工が大変な問題をクリアするために、ネット上で「ポリゴン(ポケモンのキャラ)か!」と突っ込まれている、折り紙細工のような多角形フォルムになっています。

乗車定員は6人。斬新でコストパフォーマンスと省スペース性に優れた構造を思い切って採用することで、この価格でこのポテンシャルをもつEVを発表できたのでしょう。つまり、決して奇をてらっただけのデザインではなく、ある意味でやりたいこと、やるべきことを追求した結果生まれた「機能美」であるといえます。

一点、サイドミラーが見当たらないのでカメラだと思ったけど、インテリア画像を見てもそれらしきモニターもありません。どうなっているのか謎、です。

TESLA ARMOR GLASS

窓ガラスには「テスラアーマーガラス」と名付けられた防弾ガラスを採用。プレゼンでイーロン氏は「9mm 115グレイン フルメタルジャケット弾(115グレインは7.45gで重さを示す)防弾仕様」であることを強調しました。

防弾ガラスは強化ガラスとポリマー素材を積層して銃弾の貫通を防ぐので、フレームに固定された状態で鉄球を投げつけたら割れるのは当然といえば当然のこと。考えてみれば、400万円台で防弾ガラスでVIP気分のクルマに乗れるというのも画期的です。ただ、水没時のレスキューとかで窓ガラスを破壊できないとちょっと危ないかも、というのは気になりました。ま、そこは自己責任で。

VERSATILE UTILITY(いろんな使い方ができる!)

インテリア。ステアリング形状が操縦桿っぽい。

使い方はいろいろ。荷台への積み下ろし時に便利な「ADAPTIVE AIR SUSPENSION」を採用していることや、力強い牽引能力。さらに、AC110V/220V対応のコンセントを搭載していること、用途に応じた多彩なオプションを準備する計画であることがアピールされています。

イベントでも、荷台に乗り込んだ電動ATV(All Terrain Vehicle=全地形対応車)に充電するデモが行われました。日産リーフがACコンセントを付けないのは「欧米でニーズがない」のが理由と聞いたことがありますが、使いこなし方まで提示すれば、ちゃんとニーズはあるようですね。

ちなみに、デモで登場した電動ATVもテスラ製とのこと。発売予定や価格が気になります。

公式サイトには使い方のバリエーションを示す画像がいくつか紹介されていますが、もう、実写なのかCGなのかよくわかりません。


PERFORMANCE AND EFFICIENCY(性能と効率)

最後のアピールポイントは走行性能。公式サイトでは砂漠の中のテストコース(?)を走る動画が紹介されています。ますますSF映画っぽいムービーを見るほどに、これがモーターショーにありがちなコンセプトカーではなく、本当の市販車として発表されたことに口あんぐりしてしまいます。

日本の都市部で乗るにはでか過ぎるでしょうが、このクルマで青山通りや六本木交差点を流せば、GMが誇る巨大SUV『HUMMER』以上の存在感で注目されること必至。

プレゼンテーションの中では、アメリカで人気のフルサイズピックアップトラックであるフォード『F150』がマーケットのライバルとして示されました。アメリカメディアによると、フォードもF150の電動化を計画しているそうですが、はたして、どんな勝負になるのでしょうか。

なにはともあれ、夢いっぱいなのが素敵

そもそも、このサイズのピックアップトラックは日本には不向き。仮に導入されたとしても、たくさん売れるクルマではないでしょう。

とはいえ、既存の自動車の常識を突き抜けたテスラ、そしてイーロン・マスク氏からの問いかけには「YES!」と拳を突き上げたいような、ちょっとした興奮を覚えます。

イベントから数時間後。台湾のテスラオーナーズクラブメンバーであるMichael Hsu氏が、「Starting to look at mods for my @tesla #Cybertruck @elonmusk which do u like?」「サイバートラック画像をいじってみたけど、あなたはどれが好き?」と、いくつかの合成写真をTweetしていました。

面白い!

【追記/2019.11.24】

発表から2日後、イーロンがサイバートラックの予約が14万6000台入ったことをTweetしました。42%がデュアルモーター、41%がトリプルモーター、17%がシングルモーターとのことです。

これで、今度は株価が上がるかな。

※ 記事中画像は、YouTubeライブのスクリーンショットと、TESLAのオフィシャルPR素材などを使用しています。

(文/寄本 好則)

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November 24, 2019 at 01:23PM
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