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工場スマート化の鍵 「産業用ロボット」関連の有望銘柄 - 日本経済新聞

川崎重工業の産業用ロボット

川崎重工業の産業用ロボット

「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき、技術力に比べて株価が安い「技術割安株」を、工藤一郎国際特許事務の力を借りて探してみた。

◇  ◇  ◇

消費者の好みの多様化や、テクノロジーの進歩による製品ライフサイクルの短期化を背景に、生産現場は一層の高速化・スマート化を迫られている。従来、固定的だった生産ラインは、多様な製品を機動的に生産できるように進化しつつある。そこで重要性を増してきているのが、多様な作業をこなす「産業用ロボット」と運用システムだ。今回は産業用ロボット関連銘柄の中でも「YK値」に対して株価が割安になっている上位4銘柄を紹介する。

YK値とは、閲覧申請や異議申し立てなど、ライバル企業がその特許に干渉するためにかけたコストから算出した値だ。競合企業からの干渉が多いほど特許の価値が高いとみなし、保有特許価値に比べて時価総額が割安と評価される銘柄をピックアップしている(詳細は下囲み参照)。

第1位川崎重工業。言わずと知れた国内重工大手であり、産業用ロボットのパイオニアでもある。近年では、人間がロボットを遠隔操作して作業をすると、ロボットがその作業動作を覚えるシステムを開発。このシステムは作業に伴う力覚・触覚・聴覚・視覚を含めて学習するので、人の感覚を頼りに微調整を要していた作業もこなすことができる。また、動作をプログラムするためのコスト・時間を節約できるため導入が容易。同社のロボットの活躍の場は大きく広がっていくだろう。

第2位アイダエンジニアリングは、世界トップクラスのシェアを誇るプレス機械メーカー。近年は複数のプレス機械間をロボットでつなぐことにより、コンパクトで高速な製造ラインを作るシステムを開発。工場設備の小型化・高効率化が求められる中、同システムの需要は多く存在するとみる。

第3位アルバック。真空蒸着装置に強みがある。この装置は、真空中で成膜を行うための装置で電子基板の製造には必須のもの。ロボット関連としては、真空中で基板の搬送などを行うロボットに強みがある。専門性の高い分野のため、その地位は揺るがないだろう。

第4位DMG森精機は、工作機械の世界トップクラスのメーカー。近年はロボットを含めた工場のスマート化を支援する事業を推進しており、直近では、NTTコミュニケーションズと共同で次世代通信規格「5G」を活用したシステムの実験を開始。モノづくり現場でさらなる存在感を示していくはずだ。

今回取り上げた銘柄は、高度な技術で未来の製造現場を創っていく会社だといえる。社会全体のテクノロジーの発展という観点からも注目してみてほしい。

YK値とは? 特許価値で割安株を探す方法
「企業が保有する特許の経済価値の総和と時価総額(株価)には相関がある」という仮説に基づき割安株を探す。特許の経済価値は工藤一郎国際特許事務所が開発したYK値を用いる。YK値は、特許出願に対するライバル社からの成立阻止アクションにかかるコストから算出する。
独自に選んだテーマごとに各社のYK値と時価総額を図のような軸を持つグラフにマッピングすると、妥当と思われる近似曲線が浮かび上がる。この近似曲線から左に大きく離れている企業(図ではA社)は、特許価値、つまり技術力比で時価総額が低い(割安)と考えられる。

同事務所によると、A社の位置は2年ほどかけて近似曲線に近づいていく傾向がある。これは、特許技術が製品化されて収益に寄与。時価総額が膨らむためと考えられる。この連載では、業種ごとの近似曲線から、左への乖離が大きいほど、株価が割安な銘柄として扱う。

工藤一郎(くどう・いちろう)
弁理士。工藤一郎国際特許事務所所長。大阪大学工学部卒。NECで磁気ヘッド開発に従事した後、知的財産部などで特許実務に携わる。2000年4月に工藤一郎国際特許事務所設立。特許の経済的価値の数値化や、特許価値の比較を容易にする技術業種分類などを開発。

[日経マネー2020年8月号の記事を再構成]

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June 29, 2020
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