原子力規制委員会は29日、日本原燃の「使用済み核燃料再処理工場」(青森県六ヶ所村)について、安全対策が新規制基準に適合していることを認める審査書を決定した。再処理工場は核燃料を再利用する国の政策「核燃料サイクル」の中核施設だ。審査合格により、1993年の着工から27年を経て、稼働に向けた手続きの大きな山場を越えた。
日本原燃は必要な工事を2021年9月までに終え、地元・青森県と六ヶ所村の了解を得て、22年1月に稼働させる計画を公表している。並行して規制委は工事計画を確認する別の審査を行うが、1年以上かかるとみられ、日本原燃は稼働目標の時期を遅らせる公算が大きい。
再処理工場は、原子力発電所の使用済み核燃料から複雑な化学処理を経てウランとプルトニウムを抽出する。計約1300キロ・メートルの配管でつなぐ主な建屋6棟で放射性物質を取り扱い、原発とは異なる安全対策が求められる。
日本原燃は、再処理工程で生じる高レベルの放射性廃液が沸騰し、放射性物質を含んだ水蒸気が漏出する事故を想定。水蒸気を回収する特殊装置を導入する対策を規制委に示し、審査で妥当と判断された。
自然災害対策では、敷地内外の土地の掘削調査を踏まえ、耐震性を検討するために想定する最大の地震の揺れ「基準地震動」を厳しく見積もった。竜巻による飛来物から建屋を守る強化工事も盛り込んだ。
11年の東京電力福島第一原発事故を受け、規制委は原子力施設に厳しい安全対策を課した新規制基準を導入し、14年1月に始まった再処理工場の審査に6年以上かけた。
審査前には、高レベル放射性廃液をガラスで固める試験中、設備のトラブルが起きた。日本原燃は工場を本格稼働させる前にも試験運転し、問題が生じないかを調べる。
これまでに日本原燃は工期を24回見直し、総工費は当初予定の4倍近い2兆9000億円に膨らんだ。
核燃料サイクルは資源の少ない日本にとってエネルギー安全保障上、不可欠だと国は位置づけてきた。一時は枯渇するともみられたウラン燃料は世界で資源量の見直しが進み、その恐れが薄れている。
使用済み核燃料再処理工場 使用済み核燃料を硝酸で溶かすなどの化学処理を施し、プルトニウムなどを抽出する。フル稼働すると年間800トンの使用済み核燃料を再処理し、プルトニウム7トンを生産する。計画では、40年間操業する。プルトニウムを使った燃料は別の工場で製造される予定だが、この工場も規制委が審査中で、稼働していない。
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July 29, 2020 at 09:33AM
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六ヶ所村再処理工場の安全対策、基準に適合…原子力規制委 - 読売新聞
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