熊本県南地域を襲った豪雨から１週間。経済への影響も大きく、浸水被害などを受けた工場の操業停止や一部店舗の休業が続き、物流も一部地域で停滞している。県企業立地課は「県南は中小企業が多く、焼酎の蔵元など地場企業への被害も深刻。ただ、まだ被害の全容をつかみ切れていない」と懸念する。 県のまとめによると、人吉市、多良木町、球磨村、あさぎり町にある八つの球磨焼酎の蔵元で製造設備や商品が浸水するなどの被害が出た。球磨焼酎酒造組合は「このうち三つの蔵元では深刻な被害を受けている」と言う。 半導体製造装置などに使う黒鉛材を生産する東海カーボン田ノ浦工場（芦北町）では設備が浸水した影響で水蒸気爆発による火災が４日に発生。翌日に鎮火したものの、すぐには再開できない見通し。ただ在庫などで対応しており、「供給への影響は限定的」と話す。 日本製紙八代工場（八代市）は製紙に使う球磨川の水が濁った影響で４日以降、生産がストップ。ストッキング製造の福助熊本工場（人吉市）も一部設備が浸水したため、同日から稼働を停止している。いずれも再開時期は未定だ。
一方、半導体大手のルネサスエレクトロニクス錦工場（錦町）は従業員の出社が困難だったため４、５日は操業を停止したが、設備への被害がなく６日から再開した。 小売店にも被害が出ており、店舗が浸水したゆめマート人吉（人吉市）は現時点で再オープンのめどが立っていない。地場スーパーのイスミ本店（同市）も浸水被害を受けて一時休業したが、９日から売り場を縮小して営業を再開した。 コンビニエンスストアでは、セブン－イレブンが人吉市と芦北町の５店舗、ローソンが人吉市と球磨村の３店舗、ファミリーマートが人吉市の１店舗で休業中だ。 道路の寸断などで物流網も一部で乱れている。１０日夕の時点で、ヤマト運輸は人吉市、球磨郡、芦北郡の全域と八代市の一部地域で集配業務を停止。佐川急便も八代市坂本町、球磨村、芦北郡全域で集配業務ができない状態という。 日本郵便は県南地域では八代市や人吉市など７市町村の２５郵便局の窓口業務を休止。人吉市、山江村、相良村、球磨村、芦北町と八代市の一部へのゆうパックなどの引き受けを停止している。（田上一平）
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July 11, 2020 at 11:53AM
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熊本豪雨 県南経済、被害全容見えず 工場停止、休業、物流停滞も（熊本日日新聞） - Yahoo!ニュース
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