サムスン電子が国内外で唯一のパソコン生産ラインである中国江蘇省蘇州工場を閉鎖する。 ■2020年上半期、韓国の就活生に人気の大企業2位はサムスン電子、1位は？ IT業界と中国現地メディアによると、サムスン電子の中国法人、蘇州三星電子電脳（SESC）は7月29日、従業員向けの説明会を開き、8月末からノートパソコン、デスクトップパソコンの組み立てと生産を取りやめ、大規模な人員削減を行うと発表した。サムスン電子現地法人はシェア低下と競争激化をライン閉鎖の理由に挙げた。同社はノートパソコン、デスクトップパソコンの生産ラインをベトナムに移転することを検討中とされる。蘇州には研究開発拠点だけを残し、パソコン関連の技術開発に集中する計画だ。
蘇州工場は2002年9月に設立された。サムスン電子は05年に韓国国内からノートパソコン、デスクトップパソコンの生産ラインを蘇州に移転した。面積2万6000平方メートル規模の蘇州工場では12年に約6500人が勤務していた。しかし、世界的な景気低迷、パソコン事業縮小などの影響で生産量は減り続け、従業員も昨年時点で1701人まで減少した。13年のコンピューター製品輸出は264億元（約4000億円）で、中国の輸出企業で22位を記録したが、18年には75億6000万元まで減少し、順位も155位まで低下した。 サムスン電子は最近2年間に蘇州工場を含め、生産ライン4本を中国から撤収することになる。18年4月と12月に深セン、天津にあるスマートフォン工場を撤収。昨年10月には中国で唯一残っていたスマートフォン生産ラインだった広東省恵州工場をの稼働を中断した。 中国のネットメディア、網易などは、サムスン電子の製品が中国で苦戦している点を生産ライン閉鎖の原因として挙げた。サムスン電子のスマートフォンとパソコンは中国での存在感が薄い。スマートフォンはシェアが1％未満で、パソコンも聯想（レノボ）、華為（ファーウェイ）、デル、ヒューレット・パッカード（HP）などに押され、8位にも入らない。 蘇州での生産ライン閉鎖を巡り、中国現地では「地域経済が焦土化しかねない」とする懸念が示されている。昨年サムスン電子が恵州のスマートフォン工場を閉鎖して以降、周辺のメーカーの60％が閉鎖し、広東省内では関連工場100カ所余りが生産を中断したため、経済が打撃を受けた。 蘇州工場の閉鎖で1000人前後の従業員が仕事を失うと予想される。米中貿易紛争と新型コロナウイルスの影響で失業率が過去最高を記録する中、中国で政府に対する不満が高まることも懸念されている。 網易は「サムスンは蘇州でパソコン生産を中断するだけでなく、部品のサプライチェーンも海外に移転する見通しだ」とし、「相次ぐエクソダス（大脱出）に地域経済が相当な打撃を受ける」と分析した。
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August 03, 2020 at 06:48AM
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