野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本がメキシコを下し、決勝進出を決めた3月21日、パブリックビューイング(PV)が開かれた福井市のハピテラスには約400人が集まり、侍ジャパンに大きな声援を送った。逆転勝ちの原動力となる同点の3点本塁打を放った吉田正尚選手(福井県福井市出身、レッドソックス)に、市民らは「日本を救った」「感激した」と誇らしげに語り、涙する姿も見られた。
吉田選手が小学校時代に在籍した学童野球チーム「麻生津ヤンキース」の児童たちは、16日夜のイタリア戦に続いてこの日も集まり、最前列に陣取って応援。値千金の本塁打を放った七回の場面では抱き合ったり、跳び上がったりして喜びを爆発させた。
チームの一員の男の子は「吉田選手は決勝もホームランを打ち、優勝してほしい」と興奮した様子。監督の小谷誠二さん(67)は「ヒットでつないでくれたらと思っていたが、完ぺきなスイング」と目を赤くした。
大型ビジョンに映し出される選手たちの全力プレーに、集まった市民らはスティックバルーンをたたいたり、拍手を送ったりして応援。用意された240席はほぼ埋まり、立ち見も多く見られた。
吉田選手が四球で出塁し、村上宗隆選手(ヤクルト)がサヨナラ打を放った瞬間は、みんな一斉に立ち上がり、会場にひときわ大きな歓声が響き渡った。喜びをかみしめるように、映像をじっと見つめる人もいた。観戦していた男性(75)は「諦めない気持ちが素晴らしい」と選手の活躍をたたえた。
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PVは、市と第三セクターまちづくり福井が企画。22日午前8時からの決勝もハピテラスで開かれる。
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