ボクシングの世界4階級制覇王者で、スーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥（30＝大橋）が3日、映像配信サービスLeminoのプレミアム会員を対象にしたトークイベントを実施した。

井上は昨年12月に2団体王者マーロン・タパレス（フィリピン）との王座統一戦を制し、史上2人目となる2階級での4団体統一を成し遂げた。その歴史的一戦を含めた舞台裏に迫ったドキュメンタリーをLeminoが2日から独占配信。それを受けてファンに向けた特別なイベントとなった。

イベントに先だって井上の試合と同日、同じ舞台で戦い、試合中の事故で前日2日に亡くなった穴口一輝選手を悼んだ。「僕の試合でのセミ（ファイナル）で素晴らしい試合をしましたが、残念なことになってしまった。この場を借りてご冥福をお祈りしたいです」。

その後はタパレスとの激闘を、映像を交えて振り返り、ファンからの質問に答えた。その1つに「ボクシングの神様があと1つだけかなえてくれるなら、何を願うのか」があった。

井上は「難しいですね」と悩んだ後、「何がほしいというか、トレーニングを続けて試合に出るのは強くなった姿を見せたいから。願ってそれがかなうのは簡単だが、それじゃおもしろくない。汗水たらしてこその達成感。『何か1つ』と言われたら、断るかもしれないですね」。この答えに元世界3階級制覇王者で現在は大橋ジムのトレーナー八重樫東氏は「まさかの答えでしたね」と驚いた。

その後も井上からのプレゼント、記念撮影など貴重なファンとの交流を楽しんだ。