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アパレル不況「従わない」 町工場が独自ブランドで勝負 - 中日新聞

「地域の皆さんに喜んで着てもらえる服を作りたい」と話すダブルエックスデベロップメントの戸谷さん=岐阜市本荘西のダブルエックスデベロップメントで

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 NOCOMPLY(ノーコンプライ)。岐阜市の縫製工場が一年前に製造を始めた、オリジナルブランドのジーンズだ。日本語の意味は「従わない」。衰退がいわれて久しい岐阜アパレルの復権と下請け脱却への気概を込めたネーミングでファンを増やしている。

 「岐阜の人たちに満足してもらえる、最高のジーンズを提供したい」。岐阜市本荘西の縫製工場「ダブルエックスデベロップメント」社長の戸谷太一さん(38)は力を込める。

 工場の二階に設けたショップで聞いた客の声を製造現場に届け、シルエットやサイズなど商品のバラエティーを広げる。素材は岡山県産のデニム生地。商品はあえてのりを固めに残す。「自分だけのシワを作って、ジーンズの成長を楽しめるようにした」。価格は、一万六千円(税別)。

 戸谷さんは岐阜三田高(現岐阜城北高)ファッション科で学び、大阪で洋服のサイズを直す会社で働いた。その後、フリーで縫製の請け負いを始めた。岐阜市の工場とつきあいが生まれるまで「自分の地元で縫製業が盛んなのは知らなかった」と言う。二〇〇六年、岐阜市内に縫製の事務所兼工場を開設した。

 アパレルメーカーや小売店から業務を請け負った。注文は順調に入ってきたが、動きやすさやデザイン、素材が合っていないと感じることもあった。「絶対こっちの方がいいのにな」と思いながらも注文通りの仕事を続けたが、一昨年、自社ブランドの製品が作りたくなった。

 工場長の吉川健大郎さん(30)との会話もヒントになった。自分たちの仕事、商品を友達に紹介したいが、関わった商品がどこで売られているのかが、分からないという。それで、自分たちで作った商品を販売してやりがいにつなげよう、となった。

 現在、自社製品と受注業務の割合は七対三。ジーンズは岐阜で作っているから買う、という客も多い。

 職場の雰囲気には、変化が生まれた。吉川さんは「自分たちが作っている、とポジティブになったし、何よりお客さんが喜んで買ってくれる様子が分かるのがうれしい」と話す。

 丈夫な綿布で作られたバッグや、カスタムオーダーの手提げかばん…。新商品の開発も意欲的だ。戸谷さんは「業績不安定でも、正しい方向性を向いているという自負がある」と語る。

 戸谷さんは、以前、就職面接で、大学生に「縫製業は厳しいですよね」と言われ、ハッとしたという。「これから時代を担っていく世代に夢や希望を持ってもらえるような存在にならないといけない」。短期間でここまで成長できたのは縫製が岐阜の地場産業だからと思っている。「地域への恩返しをしていきたい」と強調する。

 ショップの開店時間は午後一時〜午後七時。日曜、祝日、第二土曜は定休。(問)同社=058(253)2630

 (下條大樹)

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February 06, 2020 at 03:07AM
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