日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(4月、青森県六ケ所村)=共同
原子力規制委員会は13日、日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の安全審査で、事実上の合格証となる「審査書案」をまとめた。原子力発電所で使う核燃料を再利用する政府の核燃料サイクル政策の要の施設だ。稼働には安全対策工事の完了や立地自治体の同意が必要で、2021年度以降となる。
再処理工場の安全対策の基本方針について、11年の東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準に適合していると判断した。今後、一般からの意見公募などを踏まえて、今夏中にも正式に合格が決まる。
原燃は21年度上期までに安全対策など必要な手続きを終える予定で、その後、青森県と六ケ所村の同意を得て稼働にこぎ着けたい考えだ。
原燃の再処理工場は全国の原発で出る使用済み核燃料から再び発電に使えるウランやプルトニウムを商業的に取り出す国内で唯一の施設。100万キロワット級の原発約40基分に相当する年間800トン(ウラン換算)の使用済み核燃料を処理できる能力を持つ。
当初は1997年に完成するはずだったが、トラブルが相次ぎ、これまでに完成時期を24回遅らせた。2006年には最終的な運用試験に入ったものの、不具合対応にてこずっていた11年3月に福島第1事故が起きて、手続きを進められなくなった。
原燃は14年1月に新規制基準に基づく安全審査の申請を出し、規制委は約6年かけて慎重に審査を進めてきた。地震の想定を大幅に引き上げたほか、竜巻に備えて設備を補強した。
重大事故が起きたときの拠点となる緊急時対策所の整備なども進めている。新規制基準の対応前に約2兆2000億円を見込んでいた建設費は、追加の安全対策が必要になり3兆円近くに膨らむ。
再処理工場の完成が遅れている影響で、核燃料サイクルは目詰まりを起こしてきた。再処理工場にある使用済み燃料を貯蔵する施設はほぼ満杯で、電力各社は各原発などでの保管を余儀なくされた。これまでにトラブルを起こし続けてきた施設だけに完成しても、順調に稼働できるかは不透明だ。
また、福島第1原発の事故後に新規制基準に合格して再稼働した原発は全国で9基にすぎない。再処理で生み出した燃料を使う原発が増えなければ、施設の意義も問われかねない。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、13日の規制委定例会は一般傍聴者を入れずに審査書案を議論した。従来通りインターネットでは中継したものの、異例の対応だった。
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May 13, 2020 at 10:08AM
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