日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)の社長 兼 営業・技術本部長のSamuel Vicari(サミュエル・ヴィーカリ)氏は、2020年8月5日に日本の報道機関向けのオンライン会見を開き、米Texas Instruments(TI)全体の最新状況などを紹介した。
同氏は24年前の1996年にTIの欧州社に入って以来TIに在籍し、1年前から日本TIで現職を務めている。同氏によれば、TIは世界14カ所に工場があり、安定供給が可能だとした。「新型コロナウイルスの影響だろう、他社で供給が止まったという製品を当社で買いたいと言ってきた顧客がいる」(同氏)。ただし、TIは全量を自社工場で製造しているわけではない。14の自社工場でおよそ80%を製造し、残りはファウンドリーなどに委託する。これで、さらに供給が安定化するという。
現在、TIの14の自社工場のうち2工場で300mmウエハーを処理できる。どちらも米国テキサス州にあり、アナログICを製造している。そのうちの1つ(RFAB)の強化を図っており、2022年には強化部分での製造が始まるという。
同氏は製品ポートフォリオについても説明した。2019年のTI全体の売上高は148億8000万米ドルで、その約7割がアナログ製品。残りの約3割がMCUなどの組み込みプロセシング製品である。そして、「電源」「アナログ関連」「組み込みプロセシング」の3つの製品分野における最近の動きや新製品を紹介した。
電源分野では電力密度が高い製品の引き合いが強く、具体例としてポータブル医療機器などに向けたLiイオン/Liポリマー2次電池用充電IC「BQ25790/BQ25792」を挙げた*1。アナログ関連分野では高精度が重要となっており、具体例として総合検出誤差が±1%/1.5%と小さい電流センサーIC「TMCS1100/TMCS1101」を挙げた*2。組み込みプロセシング分野では性能やソフトウエアの再利用性の注目率が高く、具体例として無線/有線通信機能搭載のMCU「SimpleLinkシリーズ」*3や、Jacinto 7アーキテクチャーの車載プロセッサーICである「TDA4VM」と「DRA829V」*4を挙げた。
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August 06, 2020 at 11:50AM
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