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富士通、工場のサイバー対策製品 「一方通行型」投入 - 日本経済新聞

富士通は18日、工場や電力プラントなどの産業制御システム(ICS)向けのサイバー対策製品「コルミナ・データ・ダイオード」の販売を開始したと発表した。外部からの通信を物理的に遮断するデータダイオードと呼ぶ仕組みにより、サイバー攻撃を防ぐ。必要な機能を1つの機器に納めたことで既存製品よりも運用をしやすくしたことを売りに、顧客企業に売り込む。

富士通のコルミナ・データ・ダイオード

富士通のコルミナ・データ・ダイオード

データダイオードとは一方通行型の通信を物理的に実現するシステムのこと。ICSから社内の業務システムのネットワークへの通信は通す一方で、サイバー攻撃に悪用されやすい業務システムのネットワークからの通信を遮断する。

既存の製品では一方通行の実現に複数の機器を必要としていたという。富士通のコルミナ・データ・ダイオードは「フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)」と呼ばれるプログラミングが可能な集積回路を搭載し、このFPGAだけで一方通行の通信を可能にした。複数の機器を使う製品よりも、導入や運用が容易になるという。

設置する環境や必要な通信速度に応じて3種類の製品を用意する。価格は税別185万円から390万円。出荷は9月25日を予定する。2022年3月までに、3億円の売り上げを目指す。

生産性の改善や故障防止に生かすため、ICSから稼働データを収集・分析する企業が増えつつある。半面、ICSと業務システムのネットワークを接続する必要が生じ、ICSがサイバー攻撃を受けるリスクが高まっている。

実害も出ている。例えば6月にはホンダがサイバー攻撃に遭い、業務システムのサーバーやパソコンだけでなく、海外の一部工場が停止した。工場やプラントのICSが停止すれば、復旧作業などに膨大な損失が発生しやすい。

ICSへのサイバー脅威を防ぐには「ファイアウオール」と呼ばれる通信監視装置をICSと業務システムのネットワークの境界に設置する方法が一般的とされる。装置がネットワーク上の通信を監視し、マルウエア(悪意のあるプログラム)などによる不審な通信を見つけて遮断する。

ただファイアウオールの運用には懸念もある。ソフトウエアで通信の可否を判断する仕組みのため、ソフトにセキュリティー上の欠陥があれば突破されてしまう。通信の可否の設定を誤っていたために、不正侵入に遭うケースも散見される。

データダイオードは物理的に一方の通信を遮断する仕組みのため、これらの懸念を払拭できる。海外では米国の国土安全保障省などが、高いセキュリティー水準が要求されるICSなどでの活用を推奨している。(島津忠承)

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August 18, 2020 at 11:31AM
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