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迷わず打てた伊藤洋輝が豪快ミドルでA代表初ゴール!! 左SBで三笘との連係も進化 | ゲキサカ - ゲキサカ

[6.20 キリンチャレンジ杯 日本 4-1 ペルー パナスタ]

 0-0のまま拮抗した展開が続いていた前半22分、日本代表DF伊藤洋輝(シュツットガルト)の豪快な一振りが試合を動かした。MF遠藤航からのパスをゴール左斜め前で受けると、冷静なトラップから左足一閃。「迷わず打てたことがゴールにつながった」。逆回転のシュートがゴール左隅に突き刺さり、これがA代表初ゴール。結果的には4-1の大勝に終わったが、この一発がゴールラッシュの口火を切った。

 伊藤にとって今回のシュートは、ボランチが本職だったJリーグ時代にも決めていた得意な形。また今季のブンデスリーガで決めた唯一のゴールも同じ位置だった。「そこのスペースはチームでもよく見つけられていた。(三笘)薫くんが張ってスペースを空けてくれていたぶん、自分が入っていった」。MF三笘薫(ブライトン)に相手のマークが集中する中、逆を取る動きで結果を出した。

 この日はそんな三笘との連係でも大きな進化を見せた。前半11分にも三笘のパスから決定的なクロスを上げていたが、そうした振る舞いが効いて三笘のマークも分散。次第に三笘が仕掛けられる場面が増えていき、カタールW杯のコスタリカ戦や、3月シリーズのウルグアイ戦で見られたような停滞感が解消されていった。

 また三笘を活かすための方策は、単に攻撃でサポートするだけではなかった。「薫くんが持った時に無理に行かず、後ろで構えていたぶん、失ったところは行きやすかったし、前向きで守備をできたのでよかった」(伊藤)。三笘がドリブルでボールロストするシーンもたびたびあったが、後方でどっしりと構えた伊藤が回収することで、二次攻撃につなげられる場面も見られた。

 前半12分のクロスのシーンではカウンターで裏を取られ、「速いやつだったらやられている印象はある。チームとして自分が戻るのか、声を掛けて彰悟さんにケアしてもらうのか、高いレベルになったらやられてしまう場面なので、チームとして反省したい」と課題も口にしたが、その場面でも伊藤自ら懸命な戻りでピンチを救っていた。ブンデスリーガで積み上げた守備の安定感でもチームに貢献して見せた。

 そんな伊藤自身は左サイドバックを本職とは捉えておらず、今回の活動中には「監督も自分が一番プレーしやすいのはCBだと理解してくれているし、僕はそれも伝えている」とも明かした。それでも左SBで計算が立てば、チームにとってはメリットが大きい。伊藤にとってもこの一戦は「オフに入るけどこの良いイメージを持って、どこのポジションで使われても高いクオリティーを発揮できるようにやっていきたい」と手応えの残るものとなった。

 昨年の6月シリーズでA代表デビューを飾り、カタールW杯にも出場し、ブンデスリーガで残留争いを繰り広げた濃密なシーズンもこれで終了。A代表初ゴールという理想的な形でシーズンを締め括った伊藤は「W杯で悔しい思いをした分、ゼロから自分を見つめ直すいいタイミングだった。W杯後はチームでも安定したパフォーマンスを出せていたし、残留にも貢献できた。最後は自分が点を取ってチームを勝たせることができたのでよかった」とすがすがしい表情で話した。

(取材・文 竹内達也)

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