【チェンナイ（インド）＝浜松総局・杉山諭】ヤマハは２４日、インド南部の港湾都市チェンナイに建設し、２０１９年に本格稼働した楽器製造の新工場を公開した。中間層が拡大するインドを中国に次ぐ成長市場と位置付けて整備した初の生産拠点。販売を強化するとともに、将来的にはアフリカや中東、東南アジアの新興市場に向けた輸出拠点としての活用を見据える。
同社は０８年に販売会社ヤマハ・ミュージック・インディア（ＹＭＩ）を設立し、インドに本格進出した。新工場はＹＭＩの生産拠点で、ヤマハグループ初の事業戦略として製造と販売を一体的に展開する。
ヤマハの工場は国内外を合わせ１６カ所目。中田卓也社長は「既存工場の増設も選択肢にあったが、１５年ぶりに新しい土地で工場を立ち上げた。工場を造る力を次世代につなげたい」と強調する。
チェンナイ郊外の工業団地に約１１万５千平方メートルの敷地を取得し、建物面積約２万平方メートルの１号棟工場を整備した。１９年１月に試験操業を始め、同４月の本稼働後はインド伝統楽器の音色を搭載した専用モデルの電子ポータブルキーボードや、アコースティックギターを生産している。２０年中に業務用スピーカーの生産も開始する。
投資額は約５０億円。約３９０人が勤務する。年齢は１８～２４歳と若く、女性比率が約７割と高いのが特徴。ＹＭＩの芳賀崇司社長は「インド産楽器と音楽活動の普及を通して教育、文化の発展に貢献したい」と話す。
ヤマハのインド売上高は約４０億円。３年後に１・５倍の６０億円規模に拡大する計画。
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January 25, 2020 at 05:27AM
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